Meltな気分で

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シャーロッツビル事件の背景にある南北戦争~リー将軍、南部旗、風と共に去りぬ

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トランプはシャーロッツビル事件で対応を誤った!?

前日のNYダウ254ドル下げを受け、今日の日経平均も243円安となった。日経平均は3ヶ月半ぶりの安値。

今日はスペインのテロもあったが、下げの大きな要因はトランプ政権が、ひょっとしたら持たないのではないか、という疑念が強まったからだ。

今、トランプ政権の側近や中枢が、続々と離れて行っている。

トランプ米大統領、2つの諮問会議を解散 企業幹部ら相次ぎ辞任 - BBCニュース

【トランプ政権】米経済司令塔に辞任観測 トランプ氏に不満か - 産経ニュース

また、それまでトランプを支持していた共和党内でもトランプを非難する声が強くなっている。

トランプ米大統領の衝突事件めぐる発言 ブッシュ親子も暗に批判 - ライブドアニュース

原因は、ヴァージニア州シャーロッツビルで12日に起きた事件に関してのトランプ大統領の態度だ。

トランプ氏は事件の加害者側である、白人至上主義団体を擁護するような発言をしたとされ、アメリカ世論の猛反発を食らっている。

白人至上主義団体と反ファシスト団体(アンティファ)との対立に関して「双方ともに責任がある」などと言ってしまったことが、リベラル勢力の怒りに火を注いでしまった。とくにCNNなど反トランプメディアには格好の攻撃の材料を与えることになり、苛烈な反トランプキャンペーンが再開した。

トランプの「双方ともに責任がある」は、この事件の背景を見ると、確かに一理ある。しかし、アンティファの方に死者が出てしまった以上、トランプの発言は「ポリティカルコレクトネス」から逸脱した、大失言だった。

トランプはヘタを打ったのだ。これは致命的になるかもしれない、ということで日米の株価は大幅下落となっている。

 

シャーロッツビル事件の背景にある南北戦争

事件の発端は、人口4万人という小さな町、シャーロッツビルにあるロバート・リー将軍の像を撤去することに反対した白人の団体のデモから始まった。

 

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画像:ロバート・E・リー像 - Wikipedia 

リー将軍は、南北戦争で敗れた南軍側の名将である。アメリカ史における英雄だが、現代のアメリカ社会は、南軍側を美化することは「奴隷制度を肯定する考え」として封印されているのだ。

例えば、ハリウッドを代表する映画『風と共に去りぬ』は上映制限がかかり、テレビなどでも、もう放送されない状況だと聞いた。

<風と共に去った、優雅な南部の暮らし>は、奴隷制度の下に築かれている。そのような奴隷制度を肯定するような映画は見てはいけない、というのが現代アメリカの風潮となってしまった。

日本では宝塚でも何度も上映され、多くの人が愛するこの名画も、本国アメリカでは放送禁止同然となっているのは驚きだ。

ヴィヴィアン・リー扮するスカーレット・オハラも、クラーク・ゲーブル扮するレット・バトラーもアメリカ人はテレビや映画館で見ることが出来ないのだ。

 

また、南部の人種差別と白人至上主義の象徴として、「南部旗」をあげることも容易にはできない状況になっている。

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画像:アメリカ連合国の国旗 - Wikipedia

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どうやら、リベラル勢力にとっては、南部旗は、ナチスの鍵十字と同じ扱いになっているようである。

しかし、リー将軍の銅像を破壊し、南部旗を抹殺し、『風と共に去りぬ』を放送禁止にすることが、本当に正しいことなのだろうか。

実際に行われている現代のレイシズムと、このことは関係あるのだろうか。

歴史を残そうとし、その歴史を誇りに思う人々の郷土愛まで奪うことは、正義なのだろうか。

逆にこのようなことは思想的、政治的な対立を生むだけではないか。

実際にそれが発端となって今回の事件が起きたのではないか。

 

トランプの「双方に責任がある」の一理

歴史の一部、南部人の誇りでもある「リー将軍」の撤去に、南部の白人が抗議すること、それ自体は当然のことだ。私はそれイコール白人至上主義とは思わない。

アメリカの小さな町、シャーロッツビルには事件当日、全米から多くの白人の団体が抗議にやってきた。大々的な規模の抗議活動だ。

彼ら全員が白人至上主義者なのかどうかは私にはわからない。(日米のメディアはすべて白人至上主義と決めつけているが)もちろん過激な連中もいるだろう。

しかし、そこにカウンターデモをしかけ、いわば、ちょっかいを出したのがアンティファだ。彼らだって過激なこと(暴力も辞さない)をやっているのは事実。

白人の抗議デモに、カウンターでアンティファが来れば、100%衝突する。そんなことは自明だ。おそらくアンティファの連中はわかってやっている。つまり戦略的に煽りに煽って、白人至上主義を怒らせ、暴力を振るうところニュースにしようとした感があり、その罠に白人至上主義者がまんまとかかったのだろう。

そういう意味で、トランプが言った「双方に責任がある」という発言は、それなりに一理あると思う。

ただし、死者を出したという事実は重い。大統領として、真っ先にすべきは加害者側を非難し、被害者を悼むことだった。

トランプはこれまでの大統領と違って、うわべだけの「ポリティカル・コレクトネス」を言わない。本音を言う。本音を言うが、注意深く見ていれば、彼がこれまで人種差別的な暴言を一度も言っていないことがわかる。メディアやリベラル勢力は彼をそう捉え、そのイメージを流布しているが、トランプの口から出たのは「不法移民」のことだけである。それをもって、トランプをレイシストだとレッテル貼りしていたのだ。本当のレイシストが大統領になれるわけはない。

しかし、今回、彼が曖昧な態度を見せたことで、差別主義者のレッテルがさらに強烈に貼られるだろう。

これは致命的になりかねない。

それを察して、政権内部の人間が逃げ出しているのである。