東京都の都議選で自民が惨敗した。
ここまで負けるか、というぐらい、恐ろしいほどの負けで想像以上だった。
この自民の惨敗はすなわち、ネットと既成メディア、とくにテレビとの現時点での力の差だ。
ネットの影響力はまだまだテレビの影響力に遠く及ばない。
正直、もう少しネットは善戦してくれると思ったが、その影響力は「蟻と像との闘い」だったのだろうか?
テレビの視聴者数は何千万人単位。
一方、ネットは数万単位。
そんなところか。
しかも、テレビは全局、全番組『小池百合子応援団』と化していたのに対し、ネットは「反小池」と「親小池」に割れていた。
いや割れていた、というより、ネットはそもそもが自由な言語空間なので、様々な主義主張が混ざっている。
左翼連中だって自由に書き込む。ネットで保守や右派が有利ということもない。
例えば、ネットニュースを見る時に、多くの人が利用しているのはyahooのトップニュースだろう。
そのyahooのニュースに配信しているのは朝日や毎日、時事と言った規制の新聞メディアがソースだ。
つまり、ネットでもヤフーしかみない層だとテレビと大して変わりない。
結局、「受け身」にしか情報を得ないとすれば、ネットでも大手のニュースサイトの意がまま。
「情弱層」と小バカにしたところで、彼らが多数派なら、日本はそちらに流れ、たやすく踏み潰される。
そもそも日本人すべてにリテラシーを求め、情報強者になれ、なんて土台無理。
自分だって、ほんの5、6年前はそちら側にいたのだからよくわかる。
ふつうに生活している人が、政治や経済について深く考えることはない。日常会話で恥をかかない程度に浅く知っていればいいと思っている。だから、わかりやすいテレビの情報だけで十分なのだ。
そうなると、問題の根源はテレビ報道のすさまじい偏向をどうしたらいいかということになる。
アメリカではテレビ局も保守とリベラルに分かれ、その主張に沿って番組を放送している。日本もそれを目指すしかない。
つまるところ電波法の大改革だ。しかし、その改革こそ、既得権益側が絶対に譲らない、超「岩盤規制」になっている。
既成のメディアすべてがあらゆる手段を使って抵抗するだろう。
これも蟻の戦いかもしれないが、それをやれるのはネットしかない。
これは相当難しい話だが。