突然襲ってきたパニック発作
1年半前のことですが、コギトはパニック障害という病気になりました。
パニック障害というのは、どういう病気かと言えば、その名の通り、パニックにならなくてもよい状況にもかかわらず、パニックになってしまうということ。
では人間がパニックになる状況とはどんな状況かというと、生命の危険を感じるほどの恐怖を抱いた時です。
その判断は脳の偏桃体という箇所が関わってきます。
つまりパニック障害というのはなんらかの原因によってこの偏桃体が誤作動する病気と考えれています。
危険でもないのに危険だと脳が判断するのです。
症状は、突然の激しい動悸、呼吸困難、吐き気、眩暈などです。心拍が急上昇し、視界が揺れて気持ち悪くなります。立っていることもできません。かと言って横になってじっとしていることもできない。今、この瞬間に死ぬのではないかという恐怖が襲ってきます。
私は去年の夏に発症しました。
その日は猛暑でした。あまりの暑さに朝から気分が悪かった。
街を歩いていて、ふいに「あっ、水分取らないと熱中症になるな」と思い、自販機を探しましたが、見つかりません。
その時にパニックのスイッチが入ったのでしょう。
突然、激しい動悸と吐き気それに眩暈が同時にやってきました。
景色がぐらぐらと揺れ、立っていることができません。うまく息を吸うこともできない。
最初は本当に熱中症になったのだと思いました。
そして、このまま死ぬのではないかという恐怖が襲ってきました。
救急車を呼ぼうか、と本気で思いましたが、躊躇しました。
とにかく涼しいところに行き、なんとか自販機を探し、水分補給しているうちに治まってきました。時間的には20分ぐらい。
今の熱中症だろうか?
しかし、落ち着くと気分は元通りになっていました。体に異変はありません。
自宅に帰ってネットで調べてみると「パニック障害」という病気が自分の症状に当てはまります。
その夏、そのような発作が3回ほどありました。
そしてその3回の発作の後は、また発作を起こすのではないかという不安がつきまとうようになりました。不安感が強くなると気分が悪くなります。
どういう感じかと言えば、ずっと車酔いしている感じです。後で知ったのですが、これが予期不安というものでした。
予期不安が続けば、当然食事も喉を通りません。夏バテもあり、体力も落ちました。とてもまともな日常生活が送れないと判断し、病院に行くことにしました。
精神科(心療内科)を受診
ネットで自分の症状を調べて、これはパニック障害だろうと判断し、近くの心療内科のクリニックを受診しました。
自分が心療内科に行くことになるとは思ってもみませんでした。
心療内科のクリニックに行くと、詳細な問診がありました。
生活状況や悩み、性格的なことなど、じっくりと時間をかけて医師と話をしました。
医師からは「パニックは必ず治るから心配しなくてもよい」という風に言われました。
予期不安が続いているようだから、薬を飲むようにと。
出された薬は、
・クロチアゼパム錠(1日3回)
・スルピリド錠(1日2回)
・アルプラゾラム錠(発作時の頓服)
です。
抗不安剤と抗鬱剤でした。強い薬ではありません。
アルプラゾラムはよく効きました。クロチアゼパム、スルピリドは効き目が弱いですが、続けて飲んでいると効き目を実感できます。初めての処方なので強い薬ではないのですが、薬でパニック発作と予期不安はなくなりました。
パニックも不安障害のひとつです。
不安障害には必ず薬が効きます。どんな強い不安も、それに応じた薬で対応できるとのこと。
先生が言うには「極端な話、眠っている時は不安なんか感じないでしょ?だったら眠くなる薬で症状は治まるということです」
なるほど、確かにその通りです。
抗不安薬には眠くなる成分が入っているのです。
薬は3か月ほど飲み続けました。飲んでいる間はパニックは出ませんでした。ただ体がかなり、だるくなります。
薬をやめてみたら・・・
薬を飲み続けるとパニック発作は起きませんが、体に倦怠感があります。
それにいつまでも薬に頼っているのもこの病気を克服したことにはなりません。
そこで薬をいったん止めてみました。
止めてどうなるか?
しばらくは薬なしでも大丈夫に思えました。
しかし、自宅から離れ、外出先に向かうと不安感があります。
それで結局すぐ薬を飲んでしまう。
薬を飲んだり飲まなかったりの日々です。
1年半経過でようやく薬から解放されつつある
不安があれば、(パニックが出そうに感じたら)薬を飲む。そうでない時はなるべく飲まない。
その後は、そんな生活を続けました。
徐々に薬を減らしてきましたが、1年後の夏はやはり毎日のように薬を飲んでいました。
夏にパニックを発症したので、翌年の夏もかなり不安がありました。猛暑日になるとそれだけでかなり不安になります。
薬は手放せませんでした。
現在は発症から1年半が経過しています。
冬場はほとんど薬を飲んでいません。
薬は携帯していますが、出先でも薬を飲むことはありません。
自分的にはパニックはかなり治まってきている風に感じます。
しかし、今年の夏はどうかまだ不安はあります。猛暑を乗り切れるかどうか。
パニック障害になりやすい体質
パニック障害の原因はストレスだと言われています。
また性格的、体質的なもの関係あるようです。
たとえば、
・他人の視線が気になる。
・緊張しやすい
・責任感が強い
・乗り物酔いをしやすい
・不眠気味
・神経質
などがあります。
また有名人のなかでパニック障害を患っている人もいます。
円広志さん、安西ひろこさん、アン・ルイスさん、堂本剛さん、作家の宮本輝、プロ野球選手の小谷野選手などです。
彼らはパニック障害を克服しており、そのことはパニックに悩む人を勇気づけてくれます。
パニック障害は必ず治る、ということを信じ、私も克服していこうと思います。